今回は「藁の楯」という映画について
この男を殺してくれたら御礼に10億円お支払いします。
対象人物の写真付きでそのような内容の広告が全国民の目に触れる
ターゲットは幼女暴行殺害事件の犯人 清丸国秀
身の危険を感じた清丸は自首して警察に保護されるのだが・・・
もうちょこっとだけ内容を!
この10億円殺害依頼の広告を出したのは被害者の祖父で財界のドンのような人物。
新聞広告を差し替えたり、メディア動かしたりなんて簡単にできちゃう。
孫娘を殺されたうらみを晴らすため全国民に協力を要請するという発想がすごいですね。
なぜ自分でやらないかというとそういう身体状況にないからなわけです。
報酬支払い条件の中に「きちんと有罪判決を受けること」という文言をいれ、金と罪を天秤にかけさせそれでもやってくれるなら大金を渡すという、良く言えば「覚悟を決め恨みを晴らしてくれたお礼」なんだけど、悪く言えば「人間の欲を逆手に取ったいやらしい手段」といえなくもない。
一方、狙われる立場の清丸ってヤツはクズ中のクズという言葉がよく似合う人物
彼の罪を司法に委ねようとする上部からの命令でSPがつくんですけど、それをいいことにずっとヘラヘラしてるんです。
福岡で自首して東京に護送される最中に10億円目当ての連中から次々と狙われて、その度にSPが身体張って彼を守るんですが礼も言わなければ感謝もしない。
逆に「俺を守るのがお前らの仕事なんだから、もっとちゃんとやれよ!」とかほざいちゃう。
懸賞金とか関係なく純粋にコイツぶっ殺してぇって思えちゃうようなクズっぷり。
こんな男を守るべきなのか?
生かしておくべきなのか?
警察関係者のなかから彼の命を狙うものが出てきても不思議じゃないくらいなヤツなんです。
っと、内容に触れるのはこのくらいにしておきます。
藁の楯の原作は木内一裕さん
「きうちかずひろ」と書くとピンと来るひと多いはず。
そう、あの「BE BOP HIGHSCHOOL」の作者さんです。
私はビーバップ連載開始当初から読んでいた世代で、きうちさんは下ネタ混じりの不良漫画を描いてる人というイメージをずっと持っていました。
しかし、この藁の楯を皮切りにとても面白い小説を次々と発表しているんです。
正直、小説家さんとしての能力の方が上かもです。おみそれしました。
映画のキャストはSPのリーダー的役を大沢たかおさんと松嶋菜々子さん、清丸役を藤原竜也さん、そのほかにも著名な俳優陣が脇を固めます。
注目は、藤原さんのクズっぷり、大沢さんの葛藤、どちらの演技も魅せてくれます。
ぜひ観てみてください
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